毎年、さまざまなメーカーからプラセンタが発売され、各社とも「うちのはウマ由来のプラセンタだから高品質」といっていたり、「○○製法だから安心」、「1か月分でこんなに安い」、とセールスポイントをPRしています。選択肢や必要な情報が増えることは、消費者としてありがたい反面、迷ってしまうことも多くなりがち。

そこで、プラセンタをいくつかのパターンで比較してみました。
注意すべき点などがあれば、それについても記載していますので、プラセンタ選びに迷われている方は一度参考にしてみて下さい。

1.原料別で比較する

一般的にプラセンタと呼ばれているものは、正確には胎盤(プラセンタ)から抽出したプラセンタエキスのことです。プラセンタエキスを抽出するための原料「胎盤」は、いろいろな生物のものが利用されていて、原料種類によってそれぞれ違いがありますので、代表的なものを比較してみたいと思います。

ヒト

人プラセンタ人間の母親から自然分娩された胎盤から抽出されるプラセンタ。人間の胎盤を使用しているため、他のプラセンタと比較してヒトと一番相性が良いと言われています。ただしヒトプラセンタは規制が厳しく、医療機関で受けるプラセンタ注射か、海外のヒトプラセンタサプリを個人輸入するくらいしか入手経路がありません。

豚豚の胎盤から抽出された豚プラセンタは日本で最も普及しているプラセンタで、海外産の豚や衛生面に配慮した国産SPF豚、中にはイベリコ豚の胎盤を使用したものまで様々な種類があります。比較的人間とも相性が良いプラセンタと言われ、コストも安価なため、サプリメントから医薬品まで幅広く利用されています。それゆえ、価格と品質のバラつきが大きいのも豚プラセンタの特徴です。






ウマ

ウマ由来のプラセンタは、キルギズ産や国産サラブレッドのものがよく流通しています。豚プラセンタなどと比較して感染症などのリスクが低く安全性は高いと言われますが、他の動物由来のプラセンタに比べて採取できる量が限られるためコストも割高になります。そのため、高級志向のプラセンタサプリなどに使用されることの多いプラセンタです。

海外でよく見かけるプラセンタがが、羊の胎盤から抽出されるプラセンタです。主にスイスやニュージーランド産の羊からとれるプラセンタが使われます。豚プラセンタと同じく人間のプラセンタと成分が似ていると言われますが、伝染病の懸念から輸入できる国が限られているため、日本ではそこまで普及していません。

海洋性

サケ海洋性プラセンタは、サケなどの魚から抽出した疑似プラセンタエキスです。魚には胎盤がないため、卵巣膜と呼ばれる部位から抽出していることから、疑似プラセンタと呼ばれます。比較的動物由来のプラセンタと組成が似ているうえ、エラスチンも含まれているところが利点ですが、プラセンタの特徴である「成長因子」含まれているかどうかハッキリしない点がネックです。

植物性

植物の「胎座」と呼ばれるところから抽出される疑似プラセンタエキスです。海洋性と同じで胎盤以外から抽出されるプラセンタのため、疑似プラセンタエキスの一種となります。動物由来のプラセンタと違って伝染病リスクが少ないプラセンタですが、プラセンタの特徴である「成長因子」が含まれるかどうかは分かっていません。

2.製法別で比較する

次は、プラセンタエキスの抽出方法で比較していきます。プラセンタエキスの抽出法はいくつかありますが、ここでは代表的なものをいくつがピックアップしています。

加水分解法

胎盤を塩酸などで加水分解してプラセンタエキスを抽出する方法です。コストが安いためよく利用される製法ですが、有用成分が破壊されやすいといったデメリットがあります。

酵素分解法

酵素を使い胎盤を分解してからプラセンタエキスを抽出する方法です。加水分解法と比較して成長因子などを壊さない製法といわれますが、作り手の技術力や経験の差が品質に現れる製法でもあります。

凍結酵素抽出法

酵素分解法に凍結融解法という製法をミックスした抽出方法です。良質なプラセンタエキスを抽出できますが、他の製法と比べてコストがかかるため、価格も高くなりがちです。

3.価格別で比較する

価格で比較消費者にとって一番大切なポイントである「価格」。価格帯別でプラセンタを比べたときの、一般的な特徴を挙げていきます。ただし、全ての製品にあてはまるわけではありませんので、価格だけで商品を選ぶのは避けた方が良いかと思います。

低価格帯(3,000円未満)

ドラッグストアなどでも気軽に買える価格帯で、初心者が利用しやすいプラセンタ。このあたりの価格帯は、プラセンタの含有量が少なかったり、コラーゲンなど他の美容健康成分とミックスしている、低コストの原料を使っているといったところが特徴です。また、単に内容量を少なくして安く見えるようにしている場合もありますから、注意が必要な価格帯です。

中価格帯(3,000~9,999円)

商品の選択肢が多いのが、中価格帯のプラセンタです。高級なウマプラセンタを使っているものや、半年分などの大容量のもの、プラセンタ以外の魅力的な成分も配合しているものなど、メーカー各社が工夫を凝らしています。ただし、価格と品質の差に一番バラつきのある価格帯ですから、慎重に商品を比較する必要があります。

高価格帯(10,000円以上)

プラセンタの含有量が著しく高い、品質に強いこだわりを持った商品の多い価格帯です。低・中価格帯と比べると、エステサロンや美容クリニック、一部の通信販売などで流通していることが多く、ドラッグストアなどではあまり見かけません。また、品質が伴わない高額商品なども存在しますから、信頼できる人からの情報や口コミなどでしっかり吟味しないと、詐欺まがいのプラセンタをつかまされることもあります。

4.効果別で比較する

プラセンタにはさまざまな効果があると言われていますが、大きく分けると次のような分類になります。

美容

プラセンタ商品で特に多いのが、やはり「美容効果」を目的にしたものです。口コミなどで、「肌にハリつやが出た」、「ニキビが治った」、「シミが薄くなったといった」ものや、なかには「髪の毛が生えた」というものまで、美容面で幅広い効果を発揮しています。ところが、それが本当にプラセンタの効果だったのかどうかははっきりしない場合もあります。プラセンタサプリや化粧品には、他の美容成分も配合されている場合がありますし、使用者がほかの治療や美容法を併用していた可能性があるからです。また、効果には個人差もありますから、プラセンタサプリや化粧品を利用する場合、一度にまとめてではなく、ひとつひとつ試しながら、本当に自分に合っているかどうか確かめることが必要です。

健康維持

ダイエットや生活習慣病予防、アレルギー対策など、体調管理のためにも利用されるプラセンタ。プラセンタは漢方薬としても利用されるくらいですから、ほかの健康成分と比べても優れた働きを期待できます。ただし、美容効果と同じく、口コミにあるような効果が必ずしもプラセンタによるものとは限りませんので、やはり自分に合ったものをじっくり探していくことが大切です。また、本当に体調が優れない場合は、プラセンタよりも医療機関で適切な処置を受けることが最優先です。

治療

一部の医療機関や薬局では、薬効をもつプラセンタも取り扱われています。プラセンタ注射剤であれば、肝炎や乳汁不全、更年期障害といった治療に用いられていますし、保険適用外の美容治療の一環として処方される場合もあります。また、ドリンク剤や錠剤のような医薬品(第二類医薬品)は、栄養補給や滋養強壮に効果があります。
なお、治療目的のプラセンタは「医薬品」に限られます。市販のサプリメントなどは、医薬品と同等の効果を期待するものではありませんので、注意して下さい。

5.業界別で比較する

様々な業界の会社がプラセンタ商品を開発していますが、特に多いのが次のような企業です。すべてに当てはまるわけではありませんが、比較した場合の特徴も記載します。

化粧品会社など美容業界

プラセンタエキスをまるごとつかったプラセンタ美容液や美容目的のプラセンタサプリなどは、こういった美容系企業が得意なジャンルです。

健康食品メーカーなど食品業界

食感の良いゼリータイプのプラセンタや飲みやすいプラセンタドリンクといった商品を多く開発しているのが、こういった業界の企業です。

製薬会社など医療業界

こういった企業のプラセンタは、エビデンス(科学的根拠)に優れたものが多くみられます。大学や医師と共同開発したりするのも、こういった業界の特徴です。

6.形状別の比較

プラセンタの摂取方法にも、いろいろなパターンがあります。

ドリンク(健康食品)

ドリンクタイプは、飲みきりサイズの小瓶と、分量を調整できる大瓶タイプの2つが主流。吸収が早いところが特徴です。ただし、ビンが重いしゴミになる、味付けに飽きるなど、他の形状と比較すると続けにくい点がデメリット。カプセルやタブレットが味気ないと感じる方や飲み込むのが苦手な人向け。

ゼリー(健康食品)

アルミの袋に個包装されているものがほとんど。たいていの場合、1か月分などの箱入りで売られています。小腹が空いたときなどのおやつ代わりにも利用できるといった利点はありますが、ゼリータイプの場合は甘味料や香料、固形剤などの添加物が多くなりがちです。

カプセル(健康食品)

臭いを気にせず摂取できるのが、カプセルタイプのメリット。携帯性が高く、通勤や旅行などにも使いやすいタイプです。しかし、カプセルが溶けるまで時間がかかるため、ドリンクなどと比べると吸収スピートは遅くなります。

化粧水、美容液など(化粧品)

体の中からではなく、肌から吸収するタイプのプラセンタです。プラセンタの美肌効果を発揮できるのは、こういった化粧品のメリットですが、化粧品ですから肌に合う・合わないがあります。また、プラセンタの配合濃度が不明である場合もしばしば。

注射(医薬品)

いわゆるプラセンタ注射と呼ばれるもので、ヒトプラセンタを摂取できる唯一の方法です。吸収が早く、即効性が期待できます。しかし、医療機関でしか摂取できませんし、ヒトプラセンタ注射を受けると献血が出来なくなる、未知の感染症リスクを伴う、といった点に注意が必要です。

内服液(医薬品)

見た目はドリンクタイプと同じですが、こちらは市販薬です。ブタプラセンタを利用したものが薬局などで売られています。医薬品なので薬効も期待できますし、ドリンクタイプと同じく吸収スピートも高いと言われます。ただし、ゴミや味付けの問題があるのも、ドリンクタイプと同様です。

内服錠(医薬品)

錠剤(タブレット型)のプラセンタ医薬品で、ボトル入りのものが薬局などで市販されています。使われるプラセンタは、内服液と同じく豚プラセンタ由来です。効果効能は期待できますが、内服液と比較して吸収は遅いと考えられます。